第1章 ココマデの軌跡
☆2話 親の背中をみてきちゃったみたいです
前回までのお話しはコチラ
●【第1章☆1話】 生い立ち → http://www.engawashoten.com/?p=314
今日は、ボクのルーツ、親。
ボクは栃木県の田舎町に生まれました。
実家はブドウ園です。渡辺ぶどう園。
父親は平日はサラリーマンとして働き、
土日や休日を利用してブドウ園を経営。
兼業農家でした。
平日は母親が家事とブドウ園の手入れ。
それ以外にも田んぼと畑もありました。
しかも何箇所も。
当時のボクはなんとも思いませんでしたが、
今思えば膨大な仕事量です…
祖父と祖母も同居していましたので、
3人兄弟をあわせて7人家族。
家族総出での大仕事が年に何度かあり、
毎年恒例の渡辺家の大イベントでした。
GWには田植え。
ブドウ園のビニールハウス張り、
夏休みにはバスでの観光客を迎え入れての収穫と接客…
休日が稼ぎどきでした。
ボクも結構手伝いに借り出されましたが、
そんなに悪い気はしていませんでした。
手伝いといってもたいした役には立ってなかったと思うんですが、
親も忙しくて普段はそれほどあそんでもらえることもなかったので、
近くにいれるのがうれしかったのかもしれません。
それから、小さいのに親の手伝いしてるんだぜ!って
自分が好きでした(笑)
特にブドウ園にはイロイロなお客さんがくるので、チヤホヤされていい気分でした。
友達があそんでるのに手伝いをしてる自分が好きでした。
オレってかっこいい~、って本気で思ってまして、
とにかく自分が大好きでした!
…計算高いちょっといやらしい子どもでした(汗)
そして、今ならわかるのですが、
どうやらこの幼少期にボクは感覚的に自然が好きになり、
その魅力に引きつけられていったようです。
田んぼに裸足で入ったときの足の感触。
汚れた足を洗いに飛び込んだキレイな堀の水のつめたさ。
おいしそうに育ったブドウの収穫。
その粒の大きさと色、香り。
家の裏の山からのわき水に冷やしたキュウリやスイカの味。
そこにいるカニを見つけたときの喜び。
田んぼにあらわれた無数の蛍の光を見たときの夢心地。
大雪で包まれた静寂の白銀の世界での最高潮のテンション。
夏の肌触り、雨のにおい、冬の凛とした空気。
それを感じたときのなんともいえない心地よさ。
いまでもその感覚をはっきりと思い出すことができます。
どうやらこの大自然もボクの親だったんですね…
ってちょっとクサイかんじになっちゃいました!
さてさて、そんな大忙しのホントの親(笑)
子どもながらに親はよく働くな~。
と思っていました。
親があそんでいるところは、ほとんど見たことがなく、
酒をのんでいい気分になっているか、
たまに行く家族旅行。
そんなときにしか親がゆっくりしているところを見たことがありませんでした。
平日は朝から夜まで会社の仕事。
休日は朝早くから畑へ。
待望の長期休暇は、繁忙期…
家にいるのはゴハンのときぐらい。
あとはほとんど外にいましたね。
子どものボクには、よくわからなかったんですが、
今思えばとんでもないパワー…
当時のボクは大人ってあそばないんだ
って思ってました。
買い物にも行かず、外食もほとんどしない親。
なにを楽しみにしてるんだろ?
って本気で疑問でした。
ボクが今でも覚えているエピソードをひとつ。
小学生のとき。
当時はバスケットボールの漫画「スラムダンク」の全盛期。
友達全員が影響されまくりました。
でもバスケって気軽にやる場所ないんですよね。
小学校でも体育館にしかないから、ちょっとあそびで使うわけにもいかないし…
日曜日によく体育館に忍び込んでダムダムやってたら
近所の人に通報されて月曜日に正座…
スラムダンクやってみて~!
気兼ねなくダムダムして~!
って本気で思ってました。
そんな時、なぜか、なぜか、
近所の空き地にバスケットゴールが転がってたんです!
以前に公園にあったものが老朽化して捨ててあったものです。
子どもの無茶な要求…あれ欲しい。
正直困ったとおもいますよ。
それがなんと、父親がそれを交渉してもらってきてくれたんです。
ブドウの鉄骨の棚に固定して設置してくれました。
ご丁寧に白くペイントまでしたありました。
しかも練習すればスラムダンクできるかもっていう絶妙な高さ。
それはたぶんその高さにしかならなかったんだと思いますけど(笑)
いや~、うれしかったですね。
まさかわが家にバスケットゴールが!
なんて夢みたいでした。
おかげでヒマがあればダムダム。
友達がきてはダムダム。
これは、将来バスケット選手か!?…と親は期待したかと思いますが
とにかく飽きっぽい性格のボク。
すぐに飽きちゃいました…
近所の子が通りかかるときにカッコつけて黙々と練習してみる
とか、そんなくらいしかやらなくなっちゃって…
まー、とにかく親にもらって一番うれしかったプレゼントでした。
とにかくボクの父親は工作が大好き。
ボクがなにか欲しい!と言うと
とにかく自分で作ろうとしましたね。
鉄棒、シーソー、外テーブル、オイル缶とタイヤで作ったロボット…
おかげで遊園地か!ってブドウ園でした。
子どものボクは最初はよろこぶんですが、
やっぱりなんか売ってるものと違う…やっぱ買って!!
ってなるんですけどね…すぐ飽きるし。
最近になって、ようやくわかったことがあります。
素人ながら溶接や大工仕事まで自分でやってなんでも作ってしまう親。
土日も休まずに農作業をしていた親。
子どもからはなんであそばないの?っておもってた親。
どうやら、そんな生活をたのしんでいたようです。
自分でもそれを体験してみて、最近になってようやくわかってきました。
買い物や外食よりも、それが親にとってのあそびだったみたいです。
そんな田舎丸出しの環境のなかで育ったボク。
やはりないものねだりになるのでしょうか、
成長するにつれて都会へのあこがれが大きくなり、
全く違う生活をうらやましがるようになっていきます。
大人になったら絶対に親のようにはならないぞ!
都会に住んで、カッコイイ生活をして、いっぱいあそんで…
中学生、高校生と大きくなりにつれ親への反発も大きくなり、
そんな想いが強くなっていくことになります。
ちょっと長くなっちゃいましたね。
今日は、そんなボクの親について、でした!
次回は、ボクの幼少期。
どうぞ、おつきあい下さい。
おたのしみに!
【☆3話】あまあま甘えん坊の幼少期へ
→http://www.engawashoten.com/?p=765