思い込みが激しい高校生。〜えんがわ商店物語【第1章☆7話】〜

第1章 ココマデの軌跡

☆7話 思い込みが激しい高校生。

 

前回までのお話しはコチラ

●【序章】いよいよ、はじめます。
→ http://www.engawashoten.com/?p=312
●【第1章☆1話】 生い立ち
→ http://www.engawashoten.com/?p=314
●【第1章☆2話】 親の背中をみてきちゃったみたいです
→ http://www.engawashoten.com/?p=316 
●【第1章☆3話】 あまあま甘えん坊の幼少期
→ http://www.engawashoten.com/?p=765
●【第1章☆4話】 運動神経と学力が爆発の小学生。そして意気消沈…
→ http://www.engawashoten.com/?p=873
●【第1章☆5話】 落ちに落ちた中学生。ソコ(底)から急浮上!
→ http://www.engawashoten.com/?p=879
●【第1章☆6話】 出現する未来へGO!走り出した中学生。
→ http://www.engawashoten.com/?p=888

 

陸上をやることに決め、地元の高校に入学。

毎日毎日、黙々と練習を重ねました。

朝練、授業、放課後の練習。

朝練、授業、放課後の練習。

休日も練習。

休みは元旦だけだったと思います。

なんだか遊びたいって気持ちも特になく、

ただひたすら毎日の練習が楽しかったのを覚えています。

 

どうしてそんなに楽しかったのでしょう?

たぶん、環境です。

まず、仲間。

サイコーのメンバーでした。

ボクの学校は特別陸上が強いってわけではなく、

人数もそれ程、多いわけではなく、

長短距離を含めても同級生は7人。

でもそこそこチカラのある選手がそろいました。

 

走り幅跳び、走り高跳び、砲丸投げ、400mハードル、やり投げ、1500m走、5000m走。

それぞれが個人で関東大会に出れるようなチカラを持った選手がそろっていました。

また、それぞれがホントに個性的。

そしてオモシロイやつばかりでした。

あんなにネクラだったボクが、

毎日、部室や練習中にケラケラケラケラ笑っていたのを覚えています。

 

そして指導者。

顧問の先生を含め、外部のコーチの方も何人かお世話になったんですが、

穏やかな厳しさと表現するのがいいのでしょうか?

やらせることはエゲツナイくらいキツい練習なんですが、

怒鳴ったり、威圧したりってことを一切しない人たちでした。

 

そう、小学生に戻った感覚です。

やればやる程、成果が出る。

やればやる程、認めてもらえる。

やればやる程、限界がない感覚。

それが、たのしさの源泉であり、全てだったと思います。

 

練習はホントにキツかったです。

なかでも一番キツかったのは8時間競歩。

今でも思い出すとゲロを吐きそうですが・・・

8時間ひたすら競歩する練習です。

 

毎日20km程度、ガンガンに走り込んでいたボクたちですので、

歩くだけならどれだけでも大丈夫だろ〜

と思ってたら大間違い・・・

最初の2〜3時間は余裕でした。

ペチャクチャしゃべりながら、

笑いながら、

でも全力で歩く感じ。

今日は練習ラクショー。

 

そこからが地獄・・・

普段使ってない筋肉を使うもんだから

足がなんだかワケワカンナイ感じに痛みだすんです。

あと肩。

ぶんぶん腕を振らないと速く歩けないんで、

肩もパンパンになってくるんですよね・・・

いや〜、マジでキツかった。

終わった後はホントに立ち上がれなくて、

というかカラダが全身動かなくて、

着替えることすら出来なかったです。

 

練習ですら楽しかった毎日。

陸上大会はホントに楽しかったですね〜。

もう早く走りたくて、ウズウズウズウズしてました。

陸上競技場で走ったことあります?

トラックはタータンって言って、

ゴムみたいな地面なんですけど、

ここをスパイクで走ると

もう飛んでっちゃうんじゃないかってくらいに

速く走れるんですよ!

なんでも古くなった靴のソールの部分を使ってるって

どこかで聞いたことがあるんですけど

要はゴムなので、走ると弾かれるような感じで

足が勝手に蹴り上げられるんですよね。

 

そして特に長距離は先頭を走ると会場中から注目されて、

会場内放送とかでも、

「先頭を行きますのは、烏山(からすやま)高校の渡辺くん」

とか言われるんで、

なんともいえない爽快感。

もうホントにひとこと、

キモチイイ!

 

勉強もそれなりに順調でした。

やはり数学が得意。

ボクのなかで、勉強と部活、両方やるんだ!

って、なんかそんな気持ちがありました。

 

これも環境が良かったかもしれないです。

2年生から担任になったのは鬼の担任。

メッチャクチャおっかない先生でした。

それでもクラスのメンバーに恵まれた感じです。

特にでかく怒られた記憶はありません。

むしろ他のクラスの子たちが

よくデカク怒られていました・・・

それを見て、この人だけは怒らせちゃイケナイ

と思っていました。

ボクの嫌いな「連帯責任」ってのをそれ程

気にしなくて済んだクラスでしたので、

”ラク”でしたね。

 

そんなこんなで伸び伸びと、

好きなことを好きなだけやっていました。

これだけ楽しくやっていたんだから、

結果もそれはそれはいい結果がでたんでしょ?

って思いますが、

実はなかなか結果が出ずに苦しみました。

 

実はボクは人一倍、思い込みが激しい

というクセがありました。

よく自分の思い込みに洗脳されていました。

 

ボクは夏が、そして暑いのが苦手。

…と思い込んでいました。

そうすると、夏になると、気温が上がると

一気に走れなくなりました。

後輩にも負けてしまうような状態。

 

ボクはラストスパートが弱い。

ゴール手前でスプリント勝負になると勝てない。

…と思い込んでいました。

そうすると、ラスト一周とかで競り負けていました。

 

結果、3年間で一度も関東大会に出場することはできませんでした。

県大会で6位以内に入ると関東大会出場になるのですが、

ほぼ毎回7位でした。

 

受験期の3年生。

最後の駅伝大会が10月。それまでは部活と受験勉強を両立していました。

朝練からはじまり、放課後の練習も夕方遅くまで。

家でも深夜まで受験勉強。

思うように成績は上がらない

…と思い込んでいました。

 

ボクは何事に関してもツメがあまい

…と思い込んでいました。

 

結果、志望校に合格することはできませんでした。

結果、最後の高校駅伝も8位。関東大会出場ならず。

結果、最後の5000mの記録会も夢の14分台に一歩およばず。15分02秒。

 

それでも、最後には開き直っていました。

べつに志望校に合格しなくてもいい。

べつに関東大会に行けなくてもいい。

とにかく、・・・たのしかったんです。

 

高校卒業。

なんだか、とてもすがすがしい気分でした。

今でも思います。

最高の3年間でした。

そんな環境をつくってくれていた

恩師たち、仲間たちに

感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとう。

 

さて、とにかく都会に、そして一人暮らしに強いあこがれを抱いていたボク。

夢の都会暮らしへ旅立ちます。

次回は大学生。

おたのしみに!

 

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●【☆8話】 あこがれの都会へ、腐っちゃった大学生 へ
→ http://www.engawashoten.com/?p=968

 

 

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