第1章 ココマデの軌跡
☆6話 出現した未来へGO!走り出した中学生
前回までのお話しはコチラ
●【序章】いよいよ、はじめます。
→ http://www.engawashoten.com/?p=312
●【第1章☆1話】 生い立ち
→ http://www.engawashoten.com/?p=314
●【第1章☆2話】 親の背中をみてきちゃったみたいです
→ http://www.engawashoten.com/?p=316
●【第1章☆3話】 あまあま甘えん坊の幼少期
→ http://www.engawashoten.com/?p=765
●【第1章☆4話】 運動神経と学力が爆発の小学生。そして、意気消沈…
→ http://www.engawashoten.com/?p=873
●【第1章☆5話】 落ちに落ちた中学生。ソコ(底)から急浮上!
→ http://www.engawashoten.com/?p=879
毎日がツマラナクてツマラナクて、
学校に行くのがイヤでイヤで、
でも一日も休まずに通学した中学校。
ただただ、当たり障りのないように
淡々と毎日を過ごしていました。
中学生活も終わりに近づいた3年生。
未来が出現した瞬間・・・
それは、ホントに単純なキッカケでした。
成長痛が治った。
ただそれだけでした。
同時に身長が伸びはじめました。
同時にカラダが軽くなりました。
今までのカラダが自分のカラダではなかったかのように
フワフワ軽くなり、飛べそうなくらい走れるようになりました。
長距離がいきなり速く走れるようになりました。
走っても走ってもまだいける、限界がない。
そんな感覚がやってきました。
そして、コンタクトをつけました。
世界が変わりました。
世の中ってこんなにキレイだったんだ・・・
いままでコレを見てこなかったなんて、
なんてもったいないことをしてたんだ・・・
と本気で感動しました。
中学生のくせに
地球って美しい、
世の中って美しい、
人生ってホントに楽しい、
オモシロイ
って本気で心から思いました。
その瞬間なにかがハジけとび、
真っ暗闇だった目の前が
いきなりパ〜っと明るくなりました。
エネルギーに満ちあふれて、
ワクワクワクワクして、
いてもたってもいられない感覚になりました。
特に著しい成果が出始めたのが長距離走。
陸上大会に招集され大会に出場。
その後の中学駅伝大会のメンバーにも選出されました。
長距離の練習って、ひたすらストイックで、
やらない人にとっては、なんであんなつらい事をやるんだ?って
感じだと思うんですが、
疲れて苦しいことは確かなんですが、
なんともいえない爽快感があるんです。
とにかくやればやるほど結果がでるスポーツ。
走れば走るほど速くなる。
練習した分だけ正直に成果が出る。
そして、単純な競走。
順位が出る。
結果が明確。
それが醍醐味かもしれないですね。
大会直前で急激に成長したボクは、
3年間で初めて駅伝メンバーの練習に合流したにも関わらず
チームのナンバー3として代表選手に選出され
大会に出場することになりました。
結果、地区大会第2区、区間1位の区間賞。
チームも地区大会で優勝しました。
チームのメンバーもホントにいいメンバーで
練習もホントに楽しかったですね。
あれほど行くのがイヤだった学校も、
なんだか毎日楽しくて楽しくてしょうがなかったです。
そして、県大会。
ボクの学校は女子チームが強くて、
毎年関東大会に出場していました。
県大会でチームが3位までに入賞すると関東大会出場が決まります。
今年こそは、男女そろって関東大会に行くぞ!
これが合言葉でした。
いよいよ大会当日。
地区大会を勝ち抜いた各校の代表7人がタスキをつなぎます。
ボクはアンカーをまかされました。
いよいよスタート。
女子チームは早々と関東大会出場を決めました。
さすがです。
さあ、男子も負けてられません。
各校のエースがそろう超激戦区の第1区。
もちろんボクの学校もエースが1区。
根性のあるやつなんでなんかやってくれるかも
とみんなの期待を背負いつつ・・・
なんとなんと、4位で戻ってきました!
シビレましたね〜。
まさかまさかです。
姿が見えた瞬間に鳥肌が立ったのを覚えています。
そして、第2区。
ここも各校ナンバー2が揃う激戦区間。
ボクの学校もナンバー2がタスキを受け取ります。
ひょうひょうとしてますが、
やるときゃやるやつで・・・
なんとなんと区間1位の区間賞!
チームを2位に押し上げました。
シビレましたね〜。
その後も全員がチカラ以上のチカラを発揮します。
4位、5位、6位・・・
ちょっとずつチームの順位は下がってきましたが、
粘りの走りが続きます。
ボクの出番が近づいてきました。
このときのボクはビックリするほど落ち着いていました。
チームメイトが不安そうな顔でボクのことを見て
「たのむ〜」と言っていたのを
ハッキリと覚えています。
不思議な感覚でした。
全くプレッシャーも感じないし、
なんだか時間が止まったような、
妙に心地いい空気でした。
ボクにタスキがまわってきました。
チームの順位は6位。
ものすごい爽快感の中、
タスキを受取り走り出しました。
走り出して自分がビックリしました。
驚くほどカラダが軽いんです。
スピードをどんどん上げても息が乱れないんです。
まず一人かわしました
途中、チームメイトの顔が見えました
大きな声で、泣きそうな顔で応援してくれています。
その表情までハッキリと見えました。
そして二人目の背中が見えました。
あっさりかわしました。
爽快な猛スピードでぶっとばしてはいるんですが、
なかなか3位は見えてきません。
今、4位か〜。
3位はもうゴールしちゃったのかな〜?
そんな感じでした。
いままでにないくらい本気のスピードで走ってて、
さすがに息はきれまくって、
ぶっ倒れそうになってるんですが、
驚くくらい気の抜けた感じでした。
たぶんあと1Kmくらいのところですかね、
先生がいました。
これまた泣きそうな顔で大きな声でなんか言ってます。
すぐそこにいるぞ!
かわせば関東(大会)だぞ!
え?
まじで?
3位の背中が見えました。
ぐんぐん距離が縮まっていきます。
路上の観客もどんどん人数が増えていきます。
ゴールが近づいてきました。
ものすごい大歓声。
いけー、いげぇー、いげげぇ〜!
チームメイトがつぶれた声で絶叫しながら併走してきます。
肺がつぶれそうです。
ちょんと横から指で押されたらぶっ倒れそうです。
もうすこし、もうすこし、もうすこし
あとちょっと、あとちょっと
なら・・んだ、ならんだ、ならんだ!
あと一歩で・・・
・・・・・胸の差でとどきませんでした。
ゴールした瞬間に顔から転びそうになったので、
必死に背中を向けて、背中から転がりました。
肺に酸素がとどいていないほど
胸が張り裂けそうに苦しい。
空を見上げて、ただただ激しく呼吸を繰り返し
起き上がることができませんでした。
5分くらいして、
はじめてチームメイトに囲まれていることに気がつきました。
強面の汗臭い男たちがボロボロ涙を流しています。
女子メンバーも顔をくしゃくしゃにして泣いています。
先生達まで目に涙を浮かべています。
みんなの顔を見た瞬間、
カラダの底から涙があふれ出してきました。
・・・ごめん。
みんな・・・ごめん。
県大会4位。
関東大会出場ならず。
結果、ボクは最終区区間1位の区間賞でした。
中学校生活最後にして、
ボクは最高の体験をさせていただきました。
生きるってすばらしい
この世界は美しい
仲間ってサイコーだ。
ボクは地元の高校に進学することに決めました。
陸上をやることにしました。
別に陸上が盛んな学校じゃなくって、
隣りの中学の速い子が一人入学するってことは聞いてましたが面識もないし、
結局、陸上部長距離の新入生は、その子とボクの2人だけ。
ぶっちゃけ弱小校でした。
なんでその高校にしたか?
なんでだろ?
あんまりガンガン練習している強豪校に行きたくなかったのかな?
またツマラナくなっちゃうのがイヤだったのかな?
自分でもよくわからないんですが、
ただ単純に陸上をやってみたい、と思っただけだったと思います。
そして、高校へ。
出現した未来に乗っかったボクは、
ココロからたのしい気持ちに包まれます。
ちょっと熱が入っちゃって、予定よりも第1章がのびてますが、
もうすこしお付き合い下さい。
次回も、おたのしみに!
【☆7話】 思い込みが激しい高校生 へ
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