DIYの本質は「自己満足」である、
という気づきを得られたことが、
セルフビルドパートナー・DIYサポーターという職業を作り、
それを仕事として住まい手さんと一緒に家作りをしてきた中で、
僕が最も大切したいと感じたことです。
家作りにおいて、少しでもいいから、
自分で頭や手を動かしながら、自分で作ってみませんか?
というDIYを推奨し、提案し、その自己満足を体感してもらう、
ということを商品として提供することが、
僕の仕事な訳ですが、
そもそも、セルフビルドパートナーとして、その仕事をする、その意味とは?
一体、何なんだろう?
創業から5年。
正直なところ、明確なビジョンがあったわけでも無く、
自分がやってみたいと思ったことで、
自分でできることを、
楽しいと思えることを、
ただただ、今を生きるためにガムシャラにやってきただけ、
という今、現在です。
一つのことが長続きせず、
コロコロと考え方が変わる飽きっぽい僕にとって、
自分の事業、自分の仕事の意味とは、一体何なのか?
これをしっかりと考えてみることが、
事業を継続していくためにも、
生きるためのモチベーションを持続していくためにも、
はたまた、今の仕事や考え方に固執し続けないためにも、
最も大切なことなのだ、
ということを、こちらの本が教えてくれました。
山口周さんの著書「ニュータイプの時代」
結論からいきますと、
今の時点で、僕が考える、
セルフビルドパートナーとしての、
僕の仕事の意味とは、
「DIY力(自分でやる力)=生きる力」を身に付けてもらう、
ということです。
セルフビルドパートナーとして仕事をしている中で、
僕としては、
DIYのノウハウや作り方やコツ、
インスタ映えするオシャレな部屋、
居心地の良い空間、
ワークショップの楽しい時間、
などを提供しようとしているつもりはありません。
もちろん、結果的にそれを提供することができれば、
それに越したことは無いのですが、
それを一番に求めている方には、
僕にはお仕事を依頼されない方が良いかと思います。
僕では力不足です、すみません笑。
そもそも、DIYの知識もノウハウも技術もほとんど持ち合わせておりませんし、
アーティストやデザイナー、建築家になれるようなセンスも熱量もありませんし、
楽しくワイワイとワークショップを楽しむ場を作るようなファシリテーションスキルもモチベーションも、残念ながらありません笑。
幸か不幸か、僕のお客さんになってしまわれたみなさまに、
実際に聞いていただけると分かるかと思いますが、
僕と一緒に作業をしますと、
建築の業界で専ら営業担当だった僕は、
素人の延長のような技術しかありませんし、
お伝えできる知識もほとんどありませんし、
作業も楽しくワイワイ、というよりはただただ黙々とやることが多いです。
挙句の果てには、お客さんに良いやり方を教えてもらう始末…笑。
「おーー!その方法、いいですねー!」
「へ〜!そんな便利な道具があるんですねー!いいですねー、それ!」
なんて発言がポロポロとこぼれてきますので、ご注意下さいませ笑。
それでは、僕の仕事は一体、何のためにあるのでしょうか?
先に挙げました山口周さんの著書「ニュータイプの時代」に、
そのヒントが盛り込まれていました。
一部、引用します。
●飽和するモノと枯渇する意味
現代の日本で生を営んでいる私たちは、日常を安全かつ快適に暮らすために必要とされている、ほぼありとあらゆるモノを手に入れることができる時代に生きています。(中略)
しかし一方で、このような「恵まれた状況」にありながら、多くの人々は、なんとも名状しがたい欠落感を抱えながら生きています。人類の長年の夢であった「差し当たって、今日を生きるのに大きな心配がない」という状況が、多くの人にとって現実のものとなったにもかかわらず、何かが満たされていない、人生において何か本質的に重要な物が抜け落ちているような感覚です。
物質的な欠乏という課題がほぼ解消されてしまった世界において、人はどのようにして「生きる意味」を見出していけばいいのでしょうか。
欠落感。
なんとも言えない、不安。
生きる意味とは?一体、何なのか?
それが心のどこかに付きまとっている方もきっと多いのではないでしょうか?
僕もその一人です。
今は、だいぶマシになってきたかもしれませんが、
24歳の時の僕なんて、まさしくこの欠落感に取り憑かれていました笑。
そんな24歳の僕へのちょっとした提案とメッセージはコチラ。
既にそれなりに満たされているはずなのに、何かが足りない。
もっと良いモノを、
もっと楽しい時間を、
もっとカッコイイ自分を、
もっと、もっと、もっと…。
ちょっと、怪しい論調になるかもしれませんが、
欠落が少ないと思われる状態、
「幸せ」とは何なのか?を考えてみました。
欠落感に従って、もっともっと、を求め続けていると、
上の図1のようになるのでしょうか?
この図に従っていくと、
より幸福度をアップさせるためには、
もっと、出世や名誉を目指して、
もっと、高級なモノを求めて、
もっと、かわいい、かっこいい異性にモテるために、
死ぬまで努力し続ける、といったイメージでしょうか?
…なんか、ツライっすね笑。
ツライので、違う切り口にしてみます。
図2は、横軸を時間、縦軸を感情に据えてみました。
余程、悟りを開いた方でない限りは、
感情はこのように山あり谷あり、
急激に上がったと思ったら、
いきなり落ち込む…
といった、こんな波状になるのではないでしょうか?
何を隠そう、正しく僕はこんな感じです笑。
この図でいくと、感情が最も昂っている山の頂上が幸せで、
谷の底が不幸、ということなのでしょうか?
これも、ツライっすね…
幸せ絶頂だと思ってたら、いきなり奈落の底に突き落とされる…
一寸先は闇…笑。
ツライけど、一般的な幸福感のイメージはこんな感じなのかもしれません。
感情が昂って、テンションが上がっている時は幸せ。
逆に落ち込んで、ブルーな時は不幸。
だから、いくらいいことがあっても、
また谷底に落ちるのが怖くて、何だか分からないけど不安になる。
刺激が無い日常がつまらなく感じる。
何となく、欠落感がある。
そこで、幸福感をアップデートするために、
幸せの範囲をこのように図示してみました。
感情のアップダウンがあるのは仕方ない。
それに左右されないように、
平凡、日常、に幸せの範囲を据えてみることにしました。
幸せ、とは主観の感覚。
他人には、その人の幸福度は測れないかと思います。
それなら、自分で幸福度をコントロールしながら、
なるべく長い時間、幸福感に包まれていることが、
精神安定上、良さそうです笑。
それでも欲張りな僕たち笑。
より幸せになりたい!と考えてしまうかと思います。
それなら、図4のように幸福の感度を拡張してみましょう。
この考え方自体が、もっと、もっと、ということになってしまっているのかもしれませんが笑。
僕らは貪欲で煩悩の塊ですから。仕方ないですね笑。
幸せの範囲を拡張する力。
DIY力(自分でやる力)も、この一つなのではないかな?
このDIY力を育むことが、大切なのではないかな?
と考えたのが僕の仕事に対する強引な意味付けです笑。
冒頭にDIYの本質は「自己満足」である、
とお話ししました。
自分で満ち足りている状態。
これぞ極上の幸せ笑。
DIYはなにも家作りだけでは、ありません。
DIY=Do it yourself(自分でやる)
自分で料理を作る。
自分で絵を描く。
自分で文章を書く。
自分で野菜を作る。
自分で仕事を作る。
自分で話す。
自分で遊ぶ。
自分で旅に出る。
自分で…
誰かに、何かに「やらされる」ことなく、
「自分でやる」ことは、なんでも全てDIYです。
僕がDIYをオススメする理由。
僕がこの仕事をやる意味。
それは、皆さんにDIY力(自分でやる力)=生きる力を育んで欲しいからです。
僕がそのパートナー・サポーターになれたら、
これこの上ない極上の幸せです。
コチラは、住まい手さんが描いて下さった、
キッチンのイメージスケッチです。
古材を集めて来たり、床を張ったり、
削ったりと、いろいろと作業もやっていただいているのですが↓
キッチンはどんな形にするのか?
洗面台は?
タイルはどんなものを?
カウンターを支える金物は?
など、どんなものを作りたいのか?
考えるところからDIYをしていただいています。
自分で集めて来た古材を、一枚ずつ洗って削って、自分で張る。
デザインも自分の感性のままに。自由に。
素敵な腰壁です。
もちろん、難しいところはコチラでサポートします。
住まい手さんのスケッチを元に、
キッチンを作っていきます。
形ができたところで、古材でデコレーション。
猫のチカちゃんもお気に入りのスペースができたようです笑。
狭小スペースが心地良いようで、出て来ようとしません笑。
その場で生まれたアイディアが詰まった間仕切り壁。
THE オリジナルキッチンができました。
そして洗面台。
こちらも住まい手さんのスケッチを元に形にしていきます。
天板となる板をくり抜いて。
貰ってきたというレトロないい感じの金物で天板を受けて。
自分でチョイスしていただいたタイルを貼りました。
今度からは、自分一人で貼れちゃいますね笑。
どんどん範囲が拡張しちゃうかも?
さあ、どんどんDIY力をアップデート!
でき上がったキッチンのカウンターでビールでも呑みながら、
自己満足と幸福感にどっぷりと浸りましょう!!!