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現在は、長男、次男、それと東京都町田市から移住した義母との5人で長野県佐久市(旧望月町)の草原の見える丘の上に暮らしています。
上の家族写真は自宅の前で撮影した写真です。
2015年3月、ある想いを胸に「えんがわ商店」を創業。
一度は離れたはずの建築の業界にて新規事情を始めることになりました。
それは、建築に対するこんな疑問から生まれた想いでした。
「住まい手さんの想い通りの家作りは、本当に可能なのだろうか?」
よく、家は3回建てないと満足しない?
などと言われていますが、住宅ローンという大きな借金をして、
その家のために一生働くといっても過言でもない、そんな大きな買い物なのに、、、
本当にそれでいいのだろうか?
こんな疑問から「えんがわ商店」のセルフビルドパートナーとしての活動はスタートしました。
ここで、仲間達と一緒に3ヶ月おきを目安に開催させていただいておりますイベント、
「自分で作りたいをサポートする私たちのしごと説明会+相談会」にてお話しさせていただいている、
”私たちの想い”についてお伝えさせていただきます。
お伝えしたいことの結論からいきますと、この一言に尽きます。
みなさんの「自分で作りたい」という想いをサポートするのが私達の仕事です。
以上です(笑)
一言で言うとそういうことなのですが、ある意味非常に分かりにくいかと思いますので、
ちょっと長くなりますがお付き合い下さい。
”私たち”という表現の通り、私たちの想いを実現するためには、当然僕一人で実現させることは不可能で、
想いを共有する仲間達と一緒に実現に向けて活動をしています。
今現在、主に3人で活動をしています。
まずは僕。えんがわ商店、セルフビルドパートナー/DIYサポーターの渡辺正寿です。
このセルフビルドパートナーというのは、僕の職業です。
僕が勝手に自分で考えて名乗っている自称セルフビルドパートナーという職業です。
ググってみても恐らく僕のページしか出てきませんので悪しからず。
世界で唯一、僕だけの職業です(笑)
TUGU設計室(ツグセッケイシツ)の荻原朱美(おぎわらあけみ)です。
上田市真田町出身、上田市在住の建築士、設計士です。
自然素材を使った住宅や店舗の新築やリノベーションの設計を得意とする建築士です。
タイルフェチでタイル張りが得意です。タイル張り職人的設計士です。
日本建築柾彦の松尾昌彦(まつおまさひこ)です。
大工です。
上田市別所温泉の奥地の消滅集落に暮らし、その復活を目論む、ちょっと変わった男です。
動物占いはサルです。
いただいた案件によってチームを組みながら仕事をさせていただいていますが、
主にこの3人で活動をさせていただいています。
実は、この3人。
元、同じ工務店に勤める同僚でした。
僕は営業担当。
荻原は設計担当。
松尾は総務経理担当でした。
えんがわ商店の創業から3年。これまでに50案件程度のお仕事をさせていただきました。
3人で行った仕事の一部をご紹介すると、
上田市のレストラン、パニエさん。
キッシュやラザニア、ショートケーキ、水出しコーヒーが僕の好物です。
上田市の薪窯で焼くピザ屋さん、kadokko(カドッコ)さん。
古民家をリノベーションしました。
野菜のピザがメイン。野菜の美味しさが凝縮させたピザは絶品。
ハーフ&ハーフでぜひいろいろな野菜をお試し下さい。
森の離れ小屋。
もともと物置小屋だったところをリノベーションして、
お友達が来た時に宿泊してもらえるようにゲストルームの小屋としました。
こちらはサンルーム的な玄関を兼ねた自宅ワークスペース。
もともとウッドデッキに屋根が掛かっていた部分に床と壁を作りスペースを作りました。
上田市の「ちいさいお家」さん。
自宅の庭に増築としてもう一軒、建物を作りました。
基礎から作りましたので新築のような工事になりました。
と、事例をご紹介しましたが、
なーんだ、3人で工務店でも始めたってことでしょ?
…って、思いましたよね?
そうなんです…と言ってしまったらそれまでなんですが、
あえて言わせて下さい。
ちょっと違うんです!
いや、大きく違うんです!
何が違うんですか?
はい、作り手である僕たちの”想い”が違うんです!
完全防備のこのお二人はパニエさんご夫婦です。
グラインダーを片手にバシッとキメて下さいました。
kadokkoさんご夫婦です。
古民家をリノベーションしたのですが、実は当初かなりボロボロの建物でして…
解体工事はほぼkadokkoさんにやってもらいました。
赤ちゃんが生まれたばかりの奥さまにも壁塗りやタイル張りなど大活躍してもらいました。
森の離れ小屋。
大工工事も塗装も漆喰の壁塗りも。ほぼ全工程に渡って一緒に作り上げました。
特徴的なのは湿気が非常に多い場所だったため床下に炭を敷き込みました。
竹林整備も兼ねて、竹を切り出すところから一緒に竹炭作りを行い、その竹炭を床下に敷き詰めました。
サンルーム的な自宅ワークスペースの住まい手さんご家族。
高校生の子どもたちにも手伝ってもらいながら壁塗り、ウッドデッキ作りなども一緒に行いました。
お友達も一緒にコンポスト好きの荻原を筆頭にコンポスト作りなども。
ちいさいお家さんご家族。
外壁の板を塗装してもらったり、入り口のドアを作ってもらったり。
もちろん壁塗りやタイル張りをやってもらったり。
何が違うのか?
そう、僕たちは「住まい手さんが自分で作ること」をサポートする建築集団なのです。
どうして、こんなことを始めたのか?
それでは冒頭にお話しした、建築に対する疑問に戻りたいと思います。
住まい手さんの「想い通りの家作り」、それは本当に可能なのだろうか?
全てはここからスタートしました。
会社員時代に家作りの営業担当だった僕は、住まい手さんに一番最初にお会いし、
家作りや場作りに込めた夢を語ってもらい、それをカタチにしていく立場でした。
あるお客様Aさんから、このような家作りへの想いを語っていただきました。
「私、わざと手作り感を出したいんです」
そう言ってAさんは、ある雑誌を私にうれしそうに見せてくれました。
それは、素人が自分の想い通りにインテリアを工夫して作った部屋を特集した雑誌でした。
私はAさんのこの想いに深く共感しました。
「いいですね!いいですね!私もこういう雰囲気とぬくもり感が、大好きです!」
と家作りにも気合いが入りました。
なぜなら僕自身も学生時代の頃から、その雑誌を眺めるのが大好きだったからです。
Aさんの家作りがスタートしました。
こんなことを言うと怒られてしまうかもしれませんが、あえて荒っぽい言い方をすると、
家作りのプロセスは伝言ゲームです。
家作りには様々な人が関わりながら、一つの家というカタチに作り上げていきます。
営業担当から、設計士、積算担当、現場監督、大工や職人、各業者。
もちろん図面や写真、スケッチやイメージなどの膨大は資料を元にその想いは関係者に伝えられていくことにはなります。
しかし、その住まい手さんの”想い”というものは、
やはり主に言葉を通じて伝言ゲームのように、各担当者へと伝えられていくことになります。
これは、パニエさんが一番最初の打ち合わせの時に持って来てくれた、
お店作りへの長年の”想い”が詰まった「お店作りノート」。
アイディアやイメージ、写真の切り抜きなどが丁寧にまとめられたノートです。
ここから得られるパニエさんのお店作りへの想い、情熱。
これを見ながらパニエさんが語る言葉。
そこには、計り知れないほどの情報量が詰まっています。
これを余すことなく各関係者に伝え、
最終的なお店としてパニエさんの想いをカタチに表現することは、
果たして可能なのでしょうか?
現実、たった一人で家作り・場作りを実現することは、ほぼ不可能です。
実際には様々な人が関わりながら、住まい手さんの想いを一つのカタチにしていきます。
大勢の人が関わることにより、言葉や図面や資料だけでは、
どうしても伝えきれないもの、伝えることが難しいもの、があります。
それが家作り・場作りにおいて最も大切なこと。
「住まい手さんの想い」なのです。
Aさんの家作りは進行し、Aさんの家が完成し、
お引渡しの際にAさんは私に笑顔でこうおっしゃいました、
ショックでした、、、
なぜなら、ピカピカに仕上った、ピシッときれいな家を見たときに、
僕自身もAさんの”想い”との大きなギャップを感じてしまったからです。
僕も笑顔で誤魔化したのですが、時間が経つほどにAさんの笑顔が目に浮かび、
その言葉が僕の心に突き刺さりました。
Aさんを裏切ってしまった、、、
苦悩の中で僕は自分に言い聞かせました。
手作り感のある家。これは素人の仕事で、プロの仕事ではない。職人の仕事ではない。
これは仕事では、できない、、、
と、大好きだった雑誌を封印しました。
8年間の建築の業界の仕事を離れた僕は、その後いろいろな仕事を転々としました。
その建築の業界から離れた時期に、あることに気がつきました。
これは薪小屋です。
これは、僕が人生で初めて自分で作った建築物です。
なかなかカッコイイでしょ?(笑)
会社員時代に営業担当だった僕は、作り方はおろか、現場のことは全くといっていいほどの無知でした。
リゾートホテルの夜勤の仕事明けの時間を利用して、いただいた余った材料を使いながら見よう見真似で作ってみました。
調子にのって、物置小屋も作ってみました。
作っていると嬉しくなって、まだ完成していないのに物を入れてしまったり(汗)
実はちょっとこれ問題があって、雨漏れしたりして、屋根をやり直したり…
向こう側が傾斜地で脚立を掛けるのが難しかったり…
なかなか苦労しました。
東京都町田市に暮らす義母が犬を連れて定期的に遊びに来ていたので、
犬小屋が必要とのことでホームセンターで左の犬小屋を買ってきました。
しかし、防腐剤のニオイが原因なのでしょうか?
中に入ってくれようとしませんでした。
それじゃー!ってことで右側の防腐剤の入っていない材料で犬小屋を作ってみました。
完成して、さあ、入ってくれるのか・・・入ったー!!
これは、実はかなり嬉しかった。
初めてクライアントさんに気に入ってもらえた気分でした。
うちのボウズも気に入ってくれました。
よかったー。
これは副産物的な出来事でしたが、
サラリーマン時代は、やはり仕事が忙しかったこともあり、
深夜まで仕事が続くことも多く、
ほとんど子供達と接する時間を持つことができていませんでした。
そんな中、悪戦苦闘しながらもDIYで小屋作りなどにチャレンジしている親父の姿を見て、
子供達も少しずつ興味を示してくるようになりました。
自分でもやってみたくなったり、図面を描いてみて小屋を作ってみたいと言ってきたり。
なんだか初めて親父らしいことができた気がして、嬉しかったことを覚えています。
そしてついにはこんな小屋も作ってしまいました。
棟上げの際には仲間に手伝ってもらったのですが、
それ以外は全て自分一人で作りました。
お祭りのような上棟の様子はコチラの動画にまとめてありますので、よろしければご覧下さい。
建築の業界から離れた僕は、封印したはずのその雑誌を再び手に取りました。
素人が自分で、自分の想い通りに作り上げた部屋。
その活き活きとした表現を見たときに全身に血がめぐり直し始めた感覚と共に、心が躍るようなワクワク感が戻ってきました。
自分で作ってみて感じたこと。
素人が自分で作る家の魅力。
Aさんが作りたかったような、雑誌に載っているような素人が作った部屋。
それをカタチにすることが仕事にできたら?
これは・・・おもしろいんじゃないだろうか!!
どうやったら実現することができるのだろうか?
思いつきではあったのですが、アイディアが浮かびました。
・・・そうか、自分で作ってもらえばいいんだ。
想いを全員に伝えることが難しければ、想いを自分で表現してもらえばいいんだ。
プロである僕たちが全てを作ってしまうのではなく、
プロである僕たちが住まい手さんの家作りのサポートに徹することができれば・・・
もしかしたら、住まい手さんの想い通りの家作りが実現できるかもしれない・・・
家作りの過程において、そのような役割の立場の職業がないと感じた僕は、
「セルフビルドパートナー」という新たな職業を勝手に作り出し、手探りながらも活動をスタートしました。
住まい手さんが自分で作ることのサポートをする。
えんがわ商店の使命は、「建築革命」です。
「住まい手の想い通りの家作りを実現する」
家はプロに作ってもらうもの、から
家は自分で作るものへ!
さあ、やってみましょう!
とは言っても…
全てを自分で作ることは現実的に厳しい面もたくさんあります。
仕事もあるし、家族もいるし、生活もあるし…
人によって事情は様々。
でも人生で最も大きな買い物といってもいい家作り、場作り。
せっかく大きなお金を払うんだから、全てをお任せで作ってもらってしまうのはもったいない!
せっかくだからその過程も最大限に楽しんで、大きな体験として家作りを人生の楽しみにしちゃいませんか?
自分で作ると何が違うのでしょうか?
考えてみました。大きく3つありました。
まず、顔が違います。
上の写真、自分で作っていただいた住まい手のみなさんの顔です。
よーく見てみて下さい。
みなさん笑顔です。
笑顔なんですが……よーーーく、見てみて下さい。
なんだかみんな苦笑いじゃないですか(笑)
そう、みんな自分でやってみて、終わったときの第一声。
「いやーー、キツかった~(笑)」
そう、自分で作る、ということを選択した、ということはどういうことか?
プロに全てを作ってもらうのではなく、自分で作ってみる、ということを選択したことはどういうことか?
それを経験していただきます。
そうすると、たいていみなさん、このような苦笑いになります(笑)
そのほかに、自分で作ると何が違うのでしょう?
みなさん、このようにおっしゃっていただきます。
自分の手を動かしながら、自分で考えながら作り上げていくので、
例えうまくいかなかったことがあったとしても、
その過程を通して納得していただいている気がします。
おもしろいことに、例えばプロに任せたとして、
何かミスがあり失敗した部分があったとすると、
コノヤロ~!プロのくせに~!許し難いことが多いかと思います。
でも、自分で作ってみて、やってみて、失敗したりすると、みなさんこうおっしゃられます、
「あっ、しまった!!…でも、逆にいいかんじ!!!(笑)」
サイコーです(笑)
こうやって、みなさん少しずつ納得(妥協)していくのです(笑)
それから、上の写真の上段真ん中の写真。
僕と住まい手さんで一緒に薪小屋を作り、夕方に完成した薪小屋を眺めている写真です。
僕もそうなのですが、一日の作業が終わり、
その日に自分が作った箇所を眺めているのが大好きです。
その余韻に浸っている様子です。
完全に自己満足です(笑)
何十分でも眺めていられます。
自分のこだわりの部分を写真におさめたり、
こだわりに誰も気がついてくれなかったりするので、
ここが大変だったんだよー、とわざわざ説明してみたり。
だいたいどれだけ自慢しても、ハイハイ…といなされて終わりですが…。
こんなことから満足感、愛着感が増していくのかと思います。
最後に、自分で作ると何が違う?
次への意欲が変わります。
セルフビルドやセルフリノベーション、DIYの最も大きなハードルは始める前の最初のステップにあります。
どんな材料をどれだけ揃えればいいのか?
どんな道具が必要なのか?どうやって使うのか?
どうやって作るのか?本当に作れるのか?
どれだけ予算が掛かるのか?
恐らく分からないことだらけで、最初の第一歩が踏み出せないのかと思います。
しかし、一度でも踏み出してみると世界が変わります。
全く見えなかったものが、少しずつ見えてきます。
自分一人ではできなかったことが、できるようになってきます。
次は何を作ってみようか?
そのワクワクを次へのチャレンジへと繋げていきましょう!
長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
みなさんの「自分で作りたい」という、
その想いをサポートするのが私たちの仕事です。
さあ、自分で作ってみましょうか!
えんがわ商店 渡辺正寿