ペットとして人気の犬と猫ですが
犬が飼われるようになったのは
約1万3000年前と言われています。
犬は群れをつくり
主従関係を好む性格ですから
スムーズに共生することができたのでしょう。
それに対して
猫のペット化は約4000年前と
犬と比べて歴史が浅いようです。
猫はどんなきっかけで
飼いならされるようになったのでしょうか?
進化の過程や人との歴史について
見ていきたいと思います。
■犬も猫もルーツは同じ!?
あまり知られていませんが
犬も猫も祖先は一緒です。
さらに言えば
クマやアシカもルーツをたどれば
行き着く先は「ミアキス」という
動物になります。
ミアキスは約6500万年前
森に棲んでいました。
体長30cmほどの大きさで
イタチに似ていたと推測されています。
生存競争を繰り返すなか
ミアキスは生息地を移動しながら
オオカミやキツネ、アザラシなど
多様な進化を遂げたのです。
■ネコ科の進化はさらに続く
森に残ったミアキスは
ネコ科へと進化します。
その過程で登場するのが
約2500万年前にいた「プロアイルルス」。
長いしっぽや鋭い爪をもち
ジャコウネコに近いそうです。
次に「プセウダエルルス」が
約2000万年前に誕生します。
身のこなしや体つきは
現代の猫そのものだったようです。
そして約1800万年前に
絶滅した「サーベルタイガー」と
「シザイルルス」に分岐しました。
そこから
イエネコを含む「ネコ属」と
ライオンなどの「ヒョウ属」に
分かれたのです。
■直系の祖先はリビアヤマネコ
イエネコに最も近い祖先は
リビアヤマネコと考えられています。
ネコ属の中でも人に慣れやすく
4000~8000年前の古代エジプトで
飼育されるようになりました。
農耕が発達しはじめた当時
人々を悩ませたのが
穀物を襲うネズミ。
そのネズミを退治する目的で
人と猫は一緒に生活するようになったのです。
■猫と仏教の深い関係
古代エジプトにおける猫は
家畜であると同時に
神様のように扱われていたので
国外への持ち出しは禁止されていました。
しかし商人に密輸され
中央アジア、中国を経て
日本にやってきたのは飛鳥時代。
ちょうど万葉集が
うたわれていた時代ですね。
ネズミから経典を守るため
航海に同行させていたようです。
猫は仏教とともに
日本にやって来たのです。
■愛されつづける不朽のハンター
さまざまなルートで
世界中に広まった猫。
人間社会に取り入るために
愛らしく進化したという説もありますが
真相は明らかにされていません。
リビアヤマネコの人慣れしやすい
性格を引き継いでいたことが
大きく影響したようにも感じます。
愛嬌のある
優秀なハンターだったからこそ
多くの人に愛される存在に
なったのではないでしょうか。
なんにせよ
猫を可愛いと思う感情は
今も昔も同じということです。