見れば見るほどその美しさに
吸い込まれてしまいそうな猫の目は
「キャッツアイ」という名前の宝石があるほど
魅惑的な輝きを秘めています。
グリーンにブルー、ゴールドなど
非常にバリエーション豊かですが
猫によって色が異なるのはナゼでしょうか?
色によって何か違いがあるのでしょうか?
そんな猫の目の色の不思議について
詳しく見ていきたいと思います。
■メラニンが色の決め手
猫の目の色は「虹彩」という
瞳孔を覆う膜に含まれる
メラニン色素の量によって異なります。
虹彩の色は大きく分けて
・ブルー
・グリーン
・ヘーゼル(グリーンから薄茶のグラデーション)
・カッパー(銅色)
の4種類。
メラニン色素が少ないほど青く
多いほどカッパー寄りの濃い色味になります。
さらに色の濃淡や突然変異が加わると
・イエロー
・アンバー(琥珀色)
・ゴールド
・レッド
・オッドアイ(左右が異なる色)
などに細かく分類されます。
人間と同様に日照時間や紫外線量が
色素の量に比例するため
ブルーやグリーンといった薄い目の色は
ヨーロッパ原産の洋猫に多く見られます。
温暖な気候で日照にも恵まれた日本では
イエローやゴールドなど黄色系が多く
日本原産の猫はグリーンの目が少ないのだそうです。
■子猫限定のキトンブルー
生後1ヶ月程度の子猫の目の色は
キトンブルーと呼ばれる
灰色がかった青い色味です。
メラニン色素が沈着しておらず
網膜の色が透けて見えているため
このような色になるそうです。
少しずつ色素が定着すると色が変化し
生後半年を迎える頃には確定します。
ごく稀に
そのまま大人になる猫もいますが
これは虹彩に色素がつくられなかったときに
起きる現象。
毛色の色素もないため
青い目になる場合は
被毛も白くなるようです。
確かに青い目の白猫って
多いイメージですよね。
その場合は高確率で
聴覚に障害があると言われていて
60〜80%というデータもあるほど。
また色素を薄くさせる遺伝子が
耳の中にも影響していることが
原因と考えられていますが
未だ解明には至っていません。
■目にその猫のルーツあり!
ヒマラヤンやシャムなど
もともと目の青い種類の猫は
温度感受性遺伝子が大きく関係しています。
この遺伝子の特徴は
体温の低い耳やしっぽなど
体の先端の毛色を濃くさせること。
逆に体温が高い部分は色が薄くなるため
ポインテッドという毛柄になります。
比較的温度の上がりやすい
目の色素も薄くなるので
ブルーに見えるというわけなのです。
ちなみに青い色素があるわけではなく
色素細胞が少ないため反射して
青く見えているだけでそうです。
毛色や柄と同様に
目の色を確定するメラニン量は
親から引き継いだ遺伝で決まります。
両親どちらかと同じ色になるため
目の色からその猫のルーツを
垣間見ることもできそうですね。
柄にばかり目がいきがちですが
猫の目の色に注目してみるのも
なかなか面白いものですよ。