猫の毛色や柄について前回お話しましたが
兄弟全員が違う柄になることもあります
茶トラやサバトラ、牛柄、三毛が混在することもあれば
短毛の中に1匹だけ長毛が混じるケースもあるのです
同じ母親から生まれてくるのに
どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?
今回はそんな猫の生体機能について
紐解いてみたいと思います
■もともとの受精卵が違う!
猫の体は一度の排卵で
複数の卵子をつくります
人間の場合
1つの受精卵から生まれる一卵性双生児は
顔かたちがよく似ていますが
二卵性双生児はそうではありませんよね
猫はこの二卵性双生児と同じ仕組みで
三卵性であれば三つ子
五卵性なら五つ子となります
両親から受け継ぐ遺伝子が
卵子によって異なるため
色や柄もバラバラになるのです
■異父兄弟を同時に妊娠?
さらにもう一つ
父親が複数いる場合もあり
これを「同期複妊娠」と呼びます
猫は交尾時に排卵する動物で
最初の交尾から
数日発情期が続きます
受精していない卵子が残っていれば
2匹目以降のオスも
父親になる確率が高くなります
そのため父親が違う子猫を
同じタイミングで出産することがあるのです
また妊娠しながら
新たな命を宿す可能性も
この場合は
成長に差のある胎児が共存していても
最初の陣痛で一緒に出産してしまうことが多いようです
これは猫が子孫を残すために
過酷な環境の中で身につけてきた
効率的な生存本能なのです
■純血種の遺伝事情
ロシアンブルーやアビシニアンなど
毛色がほぼ同じ品種の猫の場合
品種改良の段階で
遺伝子が決められています
両親の被毛の遺伝子情報が少ないため
同じような色や柄になります
また同じ純血種でも
毛色を固定していない種類もあり
マンチカンやサイベリアンなどが
これに当てはまります
つまり猫の毛色や模様は
両親が遺伝子を多く持っているほど
バラエティ豊かになるのです
■毛色によって性格が違う?
猫の性格は
・子猫時代の環境
・母猫との関係性
・父猫からの遺伝
の3つの要因で決まるとされています
中でも父性遺伝子が強く影響するため
性格は父猫似になるようです
また柄によって性格が違うといった話を
耳にしたことはありませんか?
被毛の色柄と性格の関係性について
科学的根拠はありませんが
短毛は活動的で
長毛は穏やかな性格が多いのは事実です。
とくに血統書付きの品種の場合
優れた被毛を持つオス猫を
優先して交配させるシステム上
品種によって特定の性格を持つことも
珍しくはないのでしょう
毛色や柄だけで
父猫を特定するのは難しいですが
こうした形でしっかり遺伝しているんですね
猫の柄に歴史あり
飼い猫や野良猫の模様に注目してみると
新たな発見があるかもしれません