理想の家の作り方。自分で作る「自給自足建築」
「家は3回建てないと満足しない?」
そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
住宅ローンという大きな借金をして、その支払いのために一生働くといっても過言ではない、一生に一度の大きな買い物なのに、、、本当にそれでいいのでしょうか?
あなたの想い通りの家作りを実現することは果たして可能なのでしょうか?
そんな疑問から、えんがわ商店の家づくりの活動はスタートしました。
「セルフビルドパートナー」は、僕が作り出した職業です。2015年の創業当初から、セルフビルドやDIYによる施主参加型の家づくり、店づくりのサポートに特化してきた業界初!世界で唯一!?の僕だけの職業です。
施工事例の紹介
まずは、セルフビルドパートナーの仕事の一部をご紹介します。
キッシュと欧風料理 パニエ レストラン(長野県上田市)
「おいしくて、こころやさしい空間を創る」をテーマに、季節感を意識し、身体を元気にするような食材を選び、丁寧に手作りをしているキッシュと欧風料理のレストラン「パニエ」さんのお店作りのお手伝いをさせていただきました。
水出しコーヒーと苺のショートケーキのコンビがたまらなく美味しいです。僕の大好物、パスタもモチロン美味です。
グラインダーを片手にバシッとキメて下さった完全防備のこのお二人はパニエさんご夫婦です。解体や床のフロアタイル貼り、タイル貼りや壁や天井の塗装のDIYにチャレンジしていただきました。
床のフロアタイルをバールでこじって剥がし、床にビッチリと貼り付いたボンドをグラインダーで削る、、、粉まみれになりがらも綺麗に剥がしてくださいました。もう解体工事はこりごりです、、、とのことでした笑。
薪窯で焼いたピッツァのお店 kadokko(カドッコ)(長野県上田市)
元々はラーメン屋さんだった?という、ボロボロの古民家をリノベーション。薪窯で焼く野菜の美味しさが凝縮されたピザは絶品。マスターのこだわりが詰まったステージのようなカウンター。鮮やかにピザが調理されていく様子はショーさながらで見た目にも美味しいお店です。
kadokkoさんご夫婦もモチロンDIY!元々、ボロボロだった古民家をほぼ全てを自分たちで解体。全身ホコリと煤だらけになりながら、まずは古民家を綺麗に整えていく作業からスタートしました。
赤ちゃんが生まれたばかりの奥さまも、時にはおんぶをしながら壁塗りやタイル貼り!解体材の古材なども再利用しながらお店をセルフリノベーションしていただきました。他には無い、唯一無二のオリジナルのピザ屋さんができました。
平屋の中古住宅のセルフリノベーション(長野県上田市)
中古で購入された平屋の物件。元の建物の趣を残しながら、住まい手さんの色を活かして表現した建物に。素朴な雰囲気を大切にしながら、住まい手さんオリジナルの素敵な住宅にリノベーションをしました。
娘さんも一緒になってご家族でDIY。壁の漆喰塗りや土間やキッチンのタイル貼り、屋根裏に潜って断熱材の充填などなど。お友達もたくさんヘルプに来てくださって、みんなでワイワイとセルフリノベーション。工事に関わってくださった、設計士さんや大工さん、お友達も交えた完成お祝いパーティーは大いに盛り上がりました!
家作りへの想いは伝わるのか?
「あなたの理想の家を作ることは、本当に可能なのでしょうか?」
この問いが生まれるきっかけとなった、僕にとって忘れることができない苦い経験があります、、、ある方の言葉が、僕の心にグサッと突き刺さり「セルフビルドパートナー」という職業の誕生に繋がりました。
ハウスメーカーや工務店で働く会社員時代、僕は住宅の新築やリフォームの営業担当として働いていました。お客様に一番最初にお会いし、家作りに込めた夢を語ってもらい、それをカタチにしていく立場でした。
あるお客様Aさんから、このような家作りへの想いを語っていただきました。
「私、わざと手作り感のある家にしたいんです」
そう言ってAさんは、ある雑誌をうれしそうに見せてくれました。それは、素人が自分の想い通りにインテリアを工夫して作った家を特集した雑誌でした。僕はAさんのこの想いに深く共感しました。
「いいですね!いいですね!僕もこういう素朴な雰囲気と温もり感が、大好きです!」自然と僕も家作りに気合いが入りました。なぜなら僕自身も建築を学んでいた学生の頃から、その雑誌を眺めるのが大好きだったからです。
Aさんの家作りがスタートしました。
家作りのプロセスは伝言ゲーム!?
あえて荒っぽい言い方をすると、家作りのプロセスは伝言ゲームです。営業担当から設計士、積算担当に現場監督、大工や職人、各業者など、様々な人が関わりながら家作りは進んでいきます。
大勢の人が関わることにより、言葉や図面や資料だけでは、どうしても伝えきれないもの、伝えることが難しいものがあります。
それが家づくりにおいて最も大切なこと「住まい手さんの想い」なのです。
Aさんの家作りは進行し、いよいよ家が完成。お引渡しの際にAさんは笑顔で僕に、こうおっしゃいました。
「渡辺さん、すごくいい家になりました!ありがとうございました。
ただ、、ちょっと、、、きれいになり過ぎちゃいましたね(笑)」
ショックでした、、、なぜなら、ピカピカに仕上ったピシッときれいな家を見たときに、僕自身もAさんの「想い」との大きなギャップを感じてしまったからです。
僕も苦笑いをしながら笑顔で誤魔化したのですが、時間が経つほどにAさんの笑顔が目に浮かび、その言葉が僕の心に突き刺さりました。Aさんを裏切ってしまった、、、
僕は逃げるように自分に言い聞かせました。手作り感のある家、それは素人の仕事でプロの仕事では無い。職人の仕事では無い。それは仕事としては出来ないのだ、と。
そして僕は、大好きだった建築雑誌を棚の奥に封印したのでした。
「素人が自分で作る家の魅力」を表現するシゴト
その後、建築の業界を一度離れた僕は、異業種を転々としました。その時期にあることに気がつきます。
リゾートホテルの夜勤の仕事明け。家を建てる際に余った材料を使って、見よう見真似で薪小屋を作ってみました。僕が人生で初めて自分で作った建築物です。なかなかカッコイイでしょ?(笑)
お恥ずかしながら、二級建築士という資格は持っていたものの、会社員時代に営業担当だった僕は、作り方はおろか現場のことは全くと言っていいほどの無知でした。
調子にのって、今度は物置小屋も作ってみました。出来てくるとついつい嬉しくなって、まだ完成していないのに中に物を入れてディスプレイしてみたりします笑。
うまく完成したように見えますが、実は雨漏れして屋根をやり直したり、扉の建て付けが悪くなってしまったり、、、と。なかなか苦労して建てた小屋です。
東京都町田市に暮らす義母が犬を連れて定期的に長野に遊びに来ていたので、犬小屋が必要とのことでホームセンターで写真左の犬小屋を買ってきました。
しかし、防腐剤のニオイが原因なのでしょうか?中に入ってくれようとしませんでした。それじゃー、僕の出番!ということで写真右側の防腐剤の入っていない材料で犬小屋を作ってみました。
完成!さあ、ワンちゃんは中に入ってくれるのか、、、入ったー!やったー!!!これは、実はかなり嬉しかった。初めてクライアントさんに気に入ってもらえた気分でした。
そして、ついにはこんな小屋も作ってしまいました。義母が東京から長野に移住し、一緒に暮らすための離れの小屋です。
棟上げの際には仲間にも手伝ってもらったのですが、それ以外は全て自分一人で作りました。まさか、技術も知識も何もない自分がこんなものまで自分で作れるようになるとは、、、思ってもみませんでした。
仕事がうまくいかず建築の業界を離れ、自分への自信を失っていた僕ですが、自分で作るというセルフビルドやDIYを通じて自分でもできるという自信を少しずつ取り戻していきました。
そんな折、封印したはずだったあの雑誌をふとまた手に取って眺めてみました。素人が自分で、自分の想い通りに作り上げた建築。その活き活きとした表現を見たときに全身に血がめぐり直した感覚と共に、心が躍るようなワクワク感が湧いてきました。
自分で作ってみて感じたこと。素人が自分で作る家の魅力。Aさんが作りたかったような、雑誌に載っているような素人が作った、自分の想い通りの家。
これをカタチにすることが仕事にできたら?、、、これは、おもしろいんじゃないだろうか!!
思いつきではあったのですが、アイディアが浮かびました。
セルフビルドパートナーの誕生
そうか、自分で作ってもらえばいいんだ!想いを全員に伝えることが難しければ、想いを自分で表現してもらえばいいんだ。
プロである僕たちが全てを作ってしまうのではなく、プロである僕たちが住まい手さんの家作りのサポートに徹することができれば、、、もしかしたら、住まい手さんの想い通りの家作り、理想の家作りが実現できるかもしれない。
家作りの過程において、そのような役割の立場の職業がないと感じた僕は「セルフビルドパートナー」という新たな職業を作り、手探りながらも活動をスタートしました。
みなさんの理想の家はどんなカタチですか?家はプロに作ってもらうものから、自分で作るものへ!
さあ、早速やってみましょう!
とは言っても…
全てを自分で作ることは現実的に厳しい面もたくさんあります。仕事もあるし、家族もいるし、生活もあるし、人によって事情は様々。
でも人生で最も大きな買い物といってもいい家作り。せっかく大きなお金を払うんだから、全てをお任せで作ってもらってしまうのはもったいない!せっかくだからその過程も最大限に楽しんで、大きな体験として家作りを人生の楽しみにしませんか?
みなさんの「自分で作りたい」という、その想いをサポートするのが僕たち「セルフビルドパートナー」の仕事です。
家はプロに作ってもらうものから、自分で作るものへ。
共に創り、友になろうよ!