猫を題材にした歌といえば
「ねこふんじゃった」が有名です。
音楽の授業前には誰かが
いつも弾いていませんでしたか?
楽譜が読めなくても
手の動きで覚えられるので
ピアノ未経験者でも弾けるのだそうです。
日本だけでなく
世界中で知られる曲ですが
作曲者や発祥国は明らかになっていません。
国によってもタイトルはバラバラで
なんと28種類以上もあります。
今回は「ねこふんじゃった」が
もっと身近に感じられるような雑学を
ご紹介したいと思います。
■アメリカでは「箸(はし)」!
海外の例をいくつか挙げてみると…
・ロシア「犬のワルツ」
・ドイツ「ノミのワルツ」
・ハンガリー「ロバのマーチ」
・メキシコ「お猿さん」
・キューバ「アヒルの子たち」
といった生き物をテーマにしたものから
・スペイン「チョコレート」
・フランス「カツレツ」
・アメリカ「箸(はし)」
など実にバラエティ豊かです。
「箸」ってちょっと突飛に思えますが
指1本でも弾けることからこの名がついたそうです。
またタイトルに「猫」を含むのは
・韓国「猫の踊り」
・台湾「子猫之舞」
・ブルガリア「猫のマーチ」
・フィンランド「猫のポルカ」
・ルーマニア「黒猫のダンス」
と、日本を入れて6か国のみ。
いずれも猫を踏んづけるどころか
猫が軽快にステップを踏む姿が
目に浮かぶようなタイトルです。
■身勝手な歌詞には賛否両論
「ねこふんじゃった」の歌詞はいくつか存在しますが
最も知名度が高いのは阪田寛夫さん作のものです。
阪田さんは「さっちゃん」など
数多くの童謡を手掛けた作詞家ですね。
NHK「みんなのうた」の放映をきっかけに
1966年以降いっきに広まりました。
踏まれた猫が思わず引っ掻いてしまい
♪ 悪い猫めツメを切れ 屋根をおりてヒゲを剃れ ♪
と歌う歌詞については賛否両論があります。
長くなるので全文は記載しませんが
2番では踏んだ猫が空に飛んでいったのに対して
♪ 猫グッバイバイ ♪で終わらせています。
正直いって猫好きにとっては
あまり気持ちの良い曲ではないですよね。
ちなみに阪田さんは別バージョンで
「6匹一緒にふんじゃった」という歌詞も書いてます。
■平和な「ねこふんじゃった」もある
この曲の研究をしている
音楽家の宮本ルミ子さんによると
最初に「ねこふんじゃった」が歌われたのは1954年。
田端典子さんが歌う
「ポルカを踊りましょう」が始まりとされています。
その同じ年には丘灯至夫(おかとしお)さん作詞の
「ねこふんじゃった」がレコード化されました。
丘さんの歌詞は
猫を踏むところまでは同じですが
その後の展開に違いがあります。
ビックリした猫は家中ひっくり返し
大騒ぎしてアチコチ逃げ回りますが
気づけばタンスの上で眠っていた
という平穏な締めくくられ方です。
■愛猫家のために曲は進化する
既存の「ねこふんじゃった」に
後味の悪さを感じている人は多いようです。
そのイメージを払拭するべく様々な形で
進化系の「ねこふんじゃった」が発表されています。
たとえば2001年に
垣内磯子さんが作詞したもの。
踏まれて驚いた猫は
アメリカまで飛んで大統領に会う
コミカルなストーリーになっているそうです。
さらに2003年には水森亜土さんが
「ねこふんじゃ・・・・だめ!」を歌っています。
「・・・・」の部分がなにやら意味深ですね。
また「踏まれた猫の逆襲」なんて曲もあります。
これはピアノの練習曲なので歌詞はありませんが
「ねこふんじゃった」の譜面を逆にした構成で
発想もタイトルもユニークです。
時流に合わせて
昔話も改変するご時世です。
「ねこふんじゃった」もそろそろ
21世紀仕様に刷新してもいいかもしれませんね。